FC2ブログ

株主優待を廃止するには

 私は株主優待が届くと嬉しい方ですが、同時に何故こんなコストや手間のかかる制度がなければならないのかという思いもあります。やはり株式会社は配当なりマーケットでの評価なりで株主に報いるべきで、例えば3000円の優待を3000人の株主に実施している企業は、額面で見れば900万円の優待を実施しているわけです。しかし実際には、優待の送付に際しての梱包や送料、人件費など見た目の額面の数倍のコストがかかっている可能性があります。仮に5倍だとすれば4500万円。中小企業であればそれなりの負担となりますし、これだけのコストがかかるなら、やはり配当や自社株買いで株主に還元すべきでしょう。
 自社の製品やサービスの割引券を優待として送り、商品やサービスへの理解を深めてもらうための販促ツールの一つとして優待を付与するなら良いと思います。株主が将来の顧客になる可能性も大いにあり得ます。まあ、以前株主だった某社が株主でなくなった後も販促品を送ってきたのはやり過ぎの様な気がしますが……。
 しかし、実際には事業と全く無関係なクオカードやカタログギフトなどを優待として用意する会社の方が圧倒的に多いような気がします。それだけコストを掛けても優待を実施する狙いはただ一つで、個人株主数や取引高を増やして上場基準を維持するためでしょう。となると、株主優待を廃止するためには、優待以外に株主数を確保する施策を導入するか、そもそもの上場基準を緩くするしかありません。上場基準を緩くするのはさすがに難しいと思うので、株主数を確保するための施策を考えた方が現実的だと思います。

 まず、社員持ち株会で社員が積み立てている自社株は現状では持ち株会名義となっていますが、社員一人一人の個人名義とすると良いのではと思っています。現状は積み立てていれば当然「株式会社ABCの持ち株会」ということになってしまいますが、社員が全員株主になれば小さな会社でも数十人~数百人の社員株主を確保できます。
 また、単元を小さくすることにより個人でも買いやすくなるため、株主の確保につながると思います。
 IRイベントなどの効果もそれなりにあるので、各企業がもっと積極的に利用しないかなと思いますね。

 とはいえ、上記の施策だけでは、残念ながら数百数千の株主を確保するためにはインパクトが弱そうです。余程有名な会社ならともかく、ニッチなジャンルの小規模な会社であれば、個人も機関投資家も株主の確保は難しいでしょう。となると、インカムゲインを得る手段として、株式が魅力的な対象となるのはどうでしょうか。単純に値上がり益には課税するけど配当は無税とか……わかっている人なら有難いですが、優待ほどはインパクトなさそうです。考えらるのは株価の変動リスクの小さいトヨタ自動車が以前発行した種類株式などを発行するとかでしょうか。この時はニュースにもなったからか、普段預貯金にしか興味がなさそうだった友人が欲しがっていましたので、個人のニーズは必ずあると思います。
 何だかんだ言っても、結局は「株式投資が有利な資産形成手段である」ということを認識した個人が増えるしかありませんね。

2018/11/19 一部修正しました。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 株式日記
ジャンル : 株式・投資・マネー

コメントの投稿

非公開コメント

株主優待制度についつい釣られますが、
やはりよーく考えないと
お得なものばかりではないですよね。

Re: タイトルなし

ひっちゃんさん、コメントありがとうございます。
すみません、今回は優待の中身が得かどうかというよりも、そもそも制度に問題がないかという話ですね。
Access Counter
プロフィール

vis2004tachikawa

Author:vis2004tachikawa
個人投資家の立川一(たちかわ はじめ)です。
投資スタイルはバリュー投資からスタートし、最近はグロース投資に軸足を置いています。受取配当金の増加を重視し、良いビジネスを持ちキャッシュの創出能力のある銘柄に投資していきたいと考えています。結果として資産も緩やかに増加すると理想的です。日々の株価に、四半期決算に大いに一喜一憂します。基本的に短視眼的なのです。そんな自分の気持ちに正直に、でも投資はゆるやかに進めて、経済的・精神的に豊かな人生を目指します。投資をしながら「資金管理も含め自分が継続可能で長い時間軸で考えて勝ち続けることのできる手法を取っているかどうか」を常に確認します。
どうぞよろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR