パフォーマンスの計算方法(2017年版)
私は毎月パフォーマンスを計算しています。自分の投資の時間軸では多い気もしますが、最初からやってしまっているのでまあ惰性です。修正ディーツ法を使用されている方が多いようですが、私はより単純なディーツ法を利用しています。なお、「時価」には証券口座を通じて入金された配当やキャッシュポジションが含まれているものとします。
月次パフォーマンス【信用取引なし】=今月末の時価÷(先月末の時価+入出金)-1
月次パフォーマンス【信用取引あり】=(今月末の時価+今月末信用含み損益)÷(先月末の時価+先月末信用含み損益+入出金)-1
年次パフォーマンス=(1月の月次パフォーマンス+100%)×(2月の月次+100%)×……×(12月の月次+100%)-100%
わかりやすく、例を上げて計算してみます。
【1月】
12月末の時価=100万円
1月末の時価=121万円
1月中の入金=10万円
121÷(100+10)-1=0.1
→1月のパフォーマンスは+10%
【2月】
1月末の時価=121万円
2月末の時価=114万円
2月中の出金=1万円
114÷(121-1)-1=-0.05
→2月のパフォーマンスは-5%
1月が+10%、2月が-5%、3月が+15%とすると、3月までの年次パフォーマンスは次のようになります。
(10%+100%)×(-5%+100%)×(20%+100%)-100%
=1.1×0.95×1.2-1
=1.254-1=0.254
→年次パフォーマンス25.4%
投資信託のようにパフォーマンスを厳密に計算したいのであれば、資金を出し入れしたタイミングを考慮して計算すればよいのですが、個人投資家の場合は他人の資金を預かって運用するわけでなく、そこまでの厳密さは必要ないと考えて自分の計算方法を使用しています。入出金のタイミングによる誤差は長期的に平均化されるはずですし。
私は配当もパフォーマンスに含めて計算していますが、各種指標と比較するため配当を含めたくない場合は、月中の受取配当金は入金と考え、次の計算式を使います。(最初に記載したとおり、「時価」には証券口座を通じて入金された配当やキャッシュポジションが含まれているものとします。)
月次パフォーマンス【信用取引なし】=(今月末の時価)÷(先月末の時価+入出金+今月中の受取配当金)-1
月次パフォーマンス【信用取引あり】=(今月末の時価+今月末信用含み損益)÷(先月末の時価+先月末信用含み損益+入出金+今月中の受取配当金)-1
年次パフォーマンス=(1月の月次パフォーマンス+100%)×(2月の月次+100%)×……×(12月の月次+100%)-100%
売買時の税金を考慮する場合は、「先月末の時価」と「今月末の時価」を次の式で修正します。信用取引をされている方は、「信用含み損益」も同様の計算をされるとよいでしょう。
修正先月末の時価=先月末の時価-(先月末の含み益)×源泉徴収税率
修正今月末の時価=今月末の時価-(今月末の含み益)×源泉徴収税率
税金を考慮してもしなくても、売買した時点で税金が発生してパフォーマンスに反映されるため、おそらく長期的には同じ結果になりますが、含み損益の大きい銘柄の売買をした月のパフォーマンスが大きく低下あるいは向上します。
以上をまとめると、次のようになります。
(A)先月末の時価(現物のみ)
(B)先月末の含み益(現物のみ)
(C)先月末の信用含み損益
(D)月中入金額
(E)月中出金額
(F)月中配当金額
(a)今月末の時価(現物のみ)
(b)今月末の含み益(現物のみ)
(c)今月末の信用含み損益
(T)税率
信用取引をやっていない人は、Cとcがゼロになります。
税金を考慮しなくて良い人は、Tがゼロになります。
配当が「時価」に含まれると仮定し、配当を含めて計算する場合は、Fがゼロとなります。
月次パフォーマンス=(a-b*T+c-c*T)/(A-B*T+C-C*T+D-E+F)-1
2017/4/7 表記が一部間違っていたので修正しました。
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