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九州電力管内における出力制御の影響について

 2018年10月13日及び14日に九州電力株式会社(以下「九州電力」といいます。)が出力制御を実施しました。私は個人的にインフラファンド全銘柄を保有しており(注:ウェイト的にはまだ低めですが……)、過去の記事で出力制御が多少行われたとしてもそれほど影響はないと考えていたものの、やはり実際に行われるまでは若干心配していました。
※とりあげた過去記事はこちら→【九州電力、初の出力制御を実施】

 そして、各投資法人から今回の出力制御がどの程度影響が出たのか、10月15日付でリリースされていますので、それらを簡単にまとめました。

9281タカラレーベン・インフラ投資法人
出力制御の実施対象とはならなかったため、影響なし

9282いちごグリーンインフラ投資法人
10月14日いちご都城安久町ECO発電所(宮崎県)が対象
分配金予想に与える影響なし

9283日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
大分県宇佐市1号・2号太陽光発電所 稼働停止 10月14日 8時51分~16時10分
基本賃料は固定賃料のため、運用状況(分配金)の予想への影響なし

9284カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
10月14日の9時から16時 S-08_CS日出町発電所(2.5MW) 出力制御実施
予想賃料収入に対する遺失賃料収入の比率 0.01%
※こちらの記事もご参照ください→【9284カナディアン・ソーラー 出力制御実施】

9285東京インフラ・エネルギー投資法人
リリースなし
※10月14日現在で九州電力管内に発電施設は保有していないため、おそらく影響なし。

 どの投資法人も今回の出力制御の影響は極めて軽微で一安心ですが、太陽光発電そのものの先行きは決して明るくありません。今後買取価格が今までにも増して急ピッチで下げられ、認定を受けたものの発電&売電していない施設は買取価格を下げるそうです。既に取得した設備は影響はないはずですが、今後は高利回り物件の取得が難しくなることは間違いありません。また、景気回復や物価上昇により金利が引き上げられれば、収益構造上インフラファンドの利益を直撃します。やはり年率6~7%の高利回りにはそれなりの理由があるわけで、今後もそのあたりのリスクを勘案しながら程々に投資していくつもりです。

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九州電力、初の出力制御を実施

 ついに来ました。インフラファンドホルダーを震撼させた出力制御です。以下、NHK NEWS WEBからの転載です。
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九州電力 あす初の出力制御 太陽光発電など一時的に停止
2018年10月12日 16時36分

九州電力は、電力の供給が需要を上回り需給のバランスが崩れ、大規模な停電につながるおそれがあるとして、13日、全国で初めて、太陽光発電を一時的に停止させる「出力制御」を実施することになりました。
九州電力によりますと、13日の九州地方は天候がよく、太陽光の発電量が増える一方、冷房の利用や工場の稼働などが減って、日中のピーク時には供給が需要を43万キロワット上回ることが予想されるとしています。
このため、電力の需給バランスが崩れ、大規模な停電のおそれがあるとして、太陽光発電の一部の事業者に一時的に発電の停止を求める「出力制御」を、離島以外では、全国で初めて実施することを発表しました。
太陽光発電の出力を制御するのは、13日午前9時から午後4時にかけてで、福岡や大分など合わせて6県の9700余りの太陽光発電所が対象だということです。
日照条件に恵まれている九州では太陽光発電の導入が進み、ことし8月末現在で供給量が807万キロワットになっているうえ、原発も4基が再稼働して、供給力が高まっています。
九州電力の和仁寛電力輸送本部部長は会見で、「電力の安定供給のために必要な対応なので、出力制御へのご理解とご協力をよろしくお願いします」と述べ理解を求めました。
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 出力制御については以前の記事【インフラファンドと出力制御について その2】で取り上げましたが、まずは九州電力管内に、各インフラファンドはどの程度の発電施設を保有しているかを確認しましょう。以下は九州電力管内の設備の比率を出力ワット数ベースで表したものです。

カナディアン・ソーラー・インフラ 85.90%
日本再生可能エネルギーインフラ 7.80%
いちごグリーンインフラ 4.90%
タカラレーベン・インフラ 2.89%

9時から4時の7時間ですから、これはほぼ1日分の売電がなくなると考えていいでしょう。30日ルールや360時間ルールは考えずに、無補償の出力制御が1日実施されれば売電量は365分の1減少すると考えられますので、どの程度全体の売電量に影響するのかを試算してみました。

カナディアン・ソーラー・インフラ 85.90%×(1/365)≒0.235%
日本再生可能エネルギーインフラ 7.80%×(1/365)≒0.021%
いちごグリーンインフラ 4.90%×(1/365)≒0.013%
タカラレーベン・インフラ 2.89%×(1/365)≒0.007%

 ただし、これは出力制御が100%インフラファンドの売上に影響したとしての数字です。実際には上記ルールがあるために即座に売電収入に影響するわけではありませんし、今回の計算は出力制御する発電施設の割り当てなども全く考量していません。カナディアンソーラーは日数が重なると少しは影響があるかもしれませんが、逆に九州電力管内に発電施設を持たない東京インフラなどを保有することでバランスが取れると思います。

 また、先日のニュースで経済産業省は再生可能エネルギーの電力買い取り制度で認定を受けながら、現在も発電を始めていない一部の太陽光発電の事業者を対象に買い取り価格を減額する方針を固めたようです。こうなると、認定を受けて年数が経って発電施設の導入コストが下がったところで発電施設を作り、利回り高く売電しようということができなります。こういったことを目論む業者が蔓延っていては国民負担の高いだけの再生エネルギー政策となってしまうので、長期的には良い結果をもたらすと思います。そもそもインフラファンドは開発済みの物件を購入するので、購入した時点で利回りが確保される施設だけ導入すれば良いわけなので、直接の影響はないはずです。

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インフラファンドと出力制御について その2

 さて、この秋に出力制御が懸念されている九州電力管内に、各インフラファンドはどの程度の発電施設を保有しているのでしょうか。以下は九州電力管内の設備の比率を出力ワット数ベースで表したものです。

カナディアン・ソーラー・インフラ 85.90%
日本再生可能エネルギーインフラ 7.80%
いちごグリーンインフラ 4.90%
タカラレーベン・インフラ 2.89%

 「出力制御」とは、電力会社から発電設備に対し、パワコンからの出力を停止または減らすよう要請して、発電設備からの出力をコントロールすることです。なぜそういったことが必要なのかは専門のサイトを見ていただくとして(注:きちんと説明できないから逃げているわけではありません)、仮に無補償の出力制御(※1)が1日実施されれば売電量は365分の1、1時間実施されれば売電量は約3000分の1減少(※2)すると考えられます。実際には季節によって日照量も変わり発電量も異なるはずですが、出力制御が実施されるのは日照量がそこそこなのに冷暖房の需要が少なくなる春又は秋に実施されるため、おおよそ年中の平均的な発電量と考えて上記の数値としました。
 実際にどの程度の出力制御が行われるのかわかりませんが、九州電力管内で「丸1日、または2時間程度の制御が20日間実施された」場合、どの程度全体の売電量に影響するのかを試算してみました。
※1:話を簡単にするため、30日ルールや360時間ルールは考えずに、無補償と仮定します。
※2:1時間ですと8760分の1のはずですが、日照時間を考えるとざっくりこの程度ではないかと仮定します。

(1)丸1日の制御が20日間
カナディアン・ソーラー・インフラ 85.90%×(1/365)×20日≒4.7%
日本再生可能エネルギーインフラ 7.80%×(1/365)×20日≒0.42%
いちごグリーンインフラ 4.90%×(1/365)×20日≒0.26%
タカラレーベン・インフラ 2.89%×(1/365)×20日≒0.15%

(2)2時間程度の制御が20日間
カナディアン・ソーラー・インフラ 85.90%×(2/3000)×20日間≒1.145%
日本再生可能エネルギーインフラ 7.80%×(2/3000)×20日間≒0.104%
いちごグリーンインフラ 4.90%×(2/3000)×20日間≒0.065%
タカラレーベン・インフラ 2.89%×(2/3000)×20日間≒0.0385%

 やはりカナディアンはそれなりに売電量に影響を受けることがわかります。その他の3法人は1%以下の軽微な影響です。一方で、九州電力は再生可能エネルギーの送電可能量の拡大に向けた技術開発事業を推し進めており、「平成29年度補正予算再生可能エネルギー出力制御量低減のための技術開発事業費補助金」が交付されています。目先の心配はありますが、将来的に出力制御量の低減が実現すればカナディアンソーラーにとっては間違いなく追い風であり、またこの技術が他の電力管内にも応用されればインフラファンド全体にとってプラスになるはずです。
 とはいえ出力制御は目先の分配金を左右するので、できれば春や秋にも九州でそこそこに電気が使われるよう神頼みすることにします。

(注)本記事の数値及び試算は、素人以下の管理人によるものであり、投資判断の材料として当てにしないようお願いいたします。

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インフラファンドと出力制御について その1

 インフラファンドの株価が軟調です。原因は九州電力の出力制御を実施する可能性が高まっているからのようです。

-----以下引用-----

太陽光発電、九電が停止要求の可能性 原発再稼働も一因
9/3(月) 7:34配信 朝日新聞デジタル
 太陽光発電が盛んな九州で、九州電力が事業者に一時的な発電停止を求める「出力制御」に踏み切る可能性が高まっている。早ければ、冷房などの電気の消費が減る9月にも実施されそうだ。原発の再稼働も一因とみられる。実施されれば一部の離島を除いて国内で初めてになる。
 日照条件に恵まれた九州では、太陽光発電が普及している。連休中の今年4月29日には、午後1時の時点で九電管内の電力消費のうち、8割以上を太陽光発電でつくった電気がまかなった。現在も、九電が受け入れる太陽光による発電は月平均で5万キロワット程度のペースで増え続けている。
 電気の需要を超えて供給が増えると、電気の周波数が変動して大規模な停電につながりかねない。九電は火力発電を抑えたり、昼間に太陽光発電の電気を使って水をくみ上げ、夜間に水を流して発電する揚水発電を行ったりして、需給のバランスを調整してきた。
 これらの調整も難しくなったとき、実施するのが国のルールで決まった出力制御だ。太陽光発電の事業者に指示し、発電をストップしてもらう。すでに壱岐(長崎県)や種子島(鹿児島県)などの離島では実績があるが、離島を除く国内ではない。
 出力制御の可能性が高まるのが、晴れて太陽光発電の電気が増える一方、冷暖房を使わず消費の伸びない春や秋だ。工場や会社が休みになる休日には消費が一段と落ち込み、実施が現実味を増す。「この秋にも実施する可能性がある」(九電)という。天気などを考慮した需要予測に基づき、出力制御を行う場合は前日の夕方までに事業者にメールなどで指示をする。
 九電では2015年の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に続き、今年に入って玄海原発(佐賀県玄海町)が再稼働し原発4基態勢になった。供給力がより高まったことも背景にある。

カナディアンソーラーなど-インフラファンド安い 九電が出力抑制検討
トレーダーズ・ウェブ - 9/3 11:07
 カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人<9284>、タカラレーベン・インフラ投資法人<9281>が安い。1日付の日経新聞朝刊で、九州電力<9508>が今秋にも太陽光・風力の発電事業者に稼働停止を求める「出力抑制」を実施する可能性が高まっていると報じられた。
 実施されれば離島以外で全国初となる見込み。九州では太陽光発電の普及で供給力が増えているほか、原子力発電所も再稼働した。冷房の電力需要が落ち込む秋に需給バランスが崩れる可能性があり、九電は大規模な停電を避けるために出力抑制する構えだという。特にカナディアンの保有する発電所は九電の管轄内に集中しており、これを受け、今後の供給減少への警戒から売りが出ている。

-----引用終わり-----

 特にカナディアンソーラーの保有する発電設備は地域別投資比率でも86.4%が九州地方であり、出力ワット数の合計の85.9%が九州の設備となっていますので、業績への影響を懸念した売りが出ているようです。実際に出力制御が行われたとして、インフラファンドの業績への影響は投資家が投資撤退を考えるほど多大に及ぶのかどうか考察してみたいと思います。
(その2に続く)

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インフラファンドに投資する理由 その2

 昨日の記事の続きです。

 さて、インフラファンドへの投資にはFIT、すなわち「固定価格買取制度」を理解する必要があります。この点が一番誤解されているようで、よくあるのが「インフラファンドを買ったら、20年経ったらいきなり利回りが下がるんじゃないか?」という点です。
 インフラファンドは最初に買った設備をそのまま保有し続けるだけではありません。毎年、実際にはキャッシュアウトしない多額の減価償却費が発生しますので、これの一部を分配したり施設の維持のための支出をしても、その一部は残ります。さらに増資や借り入れなどを実施し、毎年少しずつ施設を増やしていくことで、固定価格での買取期間の終了時期が集中するのを避けることができます。
 そもそも、LTV60%を上限としていれば、2億円の資本があれば最大で3億円の借入ができ、5億円分の施設を保有することができます。借入金利が2%とすれば毎年600万円、20年で1億2千万円の利払いが発生します。一方、5億円分の施設からの賃料が平均8%の利回りであったとすると、毎年4千万円、20年で8億円の賃料が発生します。買取期間が終わるまでに3億円の負債を返済し、かつ1.2億の利払いをしても3.8億円残ります。当初の資本を除くと20年で1.8億円のキャッシュが発生しており、年平均9百万円の配当が実施可能になるので、2億円の資本に対し4.5%の利回りを実現できます。かつ、賃料で完全に当初の資本が回収できているので、この時点で発電設備の価値がゼロになっても問題なく、再び利回りの確保できる設備に投資すれば良いのです。

 といっても、私はインフラファンドや経理の専門家ではないので、上記の想像に確信があるわけではありませんから、ポートフォリオの中にインフラファンドを少しだけ組み入れているのです。

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プロフィール

vis2004tachikawa

Author:vis2004tachikawa
個人投資家の立川一(たちかわ はじめ)です。
投資スタイルはバリュー投資からスタートし、最近はグロース投資に軸足を置いています。受取配当金の増加を重視し、良いビジネスを持ちキャッシュの創出能力のある銘柄に投資していきたいと考えています。結果として資産も緩やかに増加すると理想的です。日々の株価に、四半期決算に大いに一喜一憂します。基本的に短視眼的なのです。そんな自分の気持ちに正直に、でも投資はゆるやかに進めて、経済的・精神的に豊かな人生を目指します。投資をしながら「資金管理も含め自分が継続可能で長い時間軸で考えて勝ち続けることのできる手法を取っているかどうか」を常に確認します。
どうぞよろしくお願いします。

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