「入金」と「入金投資法」の違い

 記憶に新しい方も多いと思いますが、某巨大掲示板上でツイッター上で何人かのファンダ投資家のブログを「どうせバーチャではないのか」「入金投資法なのだから億ってあたりまえだ」みたいな不思議な叩かれ方をされていました。
 このバーチャじゃないのかという批判は、ブログを書いてみればわかると思うのですが、つじつまの合わない売買と成果を書き続けるのってかなり無理があるんですよ。さらに、雑誌の取材を受けるとなると、取材の段階で証券残高やある程度の売買記録を提示しますので、大きなウソは難しいと言ってよいでしょう。
 それ以上に不思議だったのは「入金投資法」という言葉で非難されることです。だって、複利の効果を享受して資産を最大化するには、できるだけ「入金」した方がいいに決まってますから。100万円を200万円にするのと、1000万円を2000万円にするのは労力は大して変わりませんが、成果は10倍です。先日もある億円を達成した投資家さんが、自分が「入金」を繰り返して達成したことを「賛否両論ありますが……」と遠慮がちに言ってました。当然、本人もなぜ「入金」が非難の対象なのかわからなかったでしょう。

 ところが、ネットで検索しているうちに合点がいきました。この非難している人達が言う「入金投資法」と、ファンダ投資家が考えている「入金」は考え方が全く違うのです。「入金投資法」とは「含み損が増えた分だけ入金して投資を続けるという伝説の投資法である。入金が途絶えない限り、大敗して投資から撤退する可能性は少ない。しかしふと気付くと、入金した分だけ含み損が増えているという呪われた投資法である。」と書いてありました。つまり、100万円が50万円になってしまったら、再び50万円入金して投資を続ける、ということのようです。はっきりいって、口座残高を維持するためだけの「損失補填」としか思えません。ファンダ投資家が行っている元本を増やすための「入金」ではないのです。

 この「入金投資法」という言葉は、FXやオプション・先物取引など、値動きの激しい投資対象を主にトレードしている人に多く使われているようで、何でこんな考え方になるのかさっぱり分かりませんでした。
 しかし、これを「ファンダ投資=事業」「激しい値動きに賭けたトレード=ギャンブル」と考えると納得できます。
 
 商売を始めたとします。順調にいったので、店を広げようと考えます。フロアの広い所へ移転するなり、支店を増やすためにはお金が必要です。自己資金を投入するか、融資を受けるあるいは増資をして資金を調達します。ファンダ投資家の「入金」して株を買うことに似ています。
 馬券を買って当たったとします。大抵の人はそれを元手にさらに増やそうとするが、さらに手持ちの資金を足すという発想にはならないと思います。しかし、馬券が外れたにも関わらず、さらに続けたい場合は手持ち資金を再び出して次のレースに賭けます。これが激しい値動きに賭ける投資家の「入金投資法」の発想だと思います。

 あとは、一時元手がかなり大きかったインデックス投資家の方が億を達成した時に「元手が大きく投資の成果で億ったとはいえない」と非難されたように、収入がそもそも大きい人が投資をしてそれなりの資産になっている状態を(半分僻みも伴って)揶揄しているケースもあるかもしれませんね。

 また、値動きの激しい投資対象でトレードされている方は、一瞬にしてお金が減ってしまう事態に備えて、ある程度勝ったら元本を引きだすということも行っているようです。一方、ファンダ投資家の方は(私もそうですが)複利の効果を享受するため資産の大部分を投資対象に振り向けているケースが多いように思います。30万を60万に増やして、30万引き出せば確かに元本は確保されますが、さらに30万増やすのに、元手が30万なのと60万なのではハードルが大分違います。元本確保に重きをおくか、複利の効果の享受に置くかでスタンスは違ってきますが、私は後者を選びました。
 出金はしていないものの、投資を始めて10年近くたってから、生活防衛資金をきちんと確保しようと思いチマチマ貯金を始めました。株価好調で証券口座から引き出すのが惜しく、むしろ貯金などせずに全部入金したかった気持ちもありましたが、堪えて貯金に励みました。生活防衛資金は一見資金を遊ばせているようで、リスクマネーに全力で働いてもらうための精神的な支えになりました。何かあってもこれだけは確保されているという安心感は何者にも代え難く、給料から全部注ぎ込んでいた今迄のやり方を反省しました。
 資産が大きくなってくると、節約や入金の効果が小さくなります。しかし、生活コストの低減は同時にアーリーリタイアへのハードルを低くし、入金は目標金額への到達を早めます。生活防衛資金の確保・節約・入金は無理のない程度に、同時に進めるべきだと思っています。

 繰り返しますが「入金」とネット上で言われている「入金投資法」とは別物です。元本が大きいほど複利の効果を享受でき、短期の価格変動リスクは分散と時間を味方につける事である程度回避できると思います。損失補填を入金で埋める事を指す「入金投資法」とは別物です。ファンダに掛ける投資を心掛けているなら、堂々と「入金」しましょう。

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資産額の公開について

 私は2004年に本格的に株式投資を始め、資産の時価評価額が億を超えたのが2013年の5月でした。2012年末に上場した全国保証を上場日の始値でガッツリと買い、その後比較的短期間で上昇し、且つ他の保有銘柄もそこそこに上昇したのが効きました。しかし、そこが天井で、年末になるまで億を回復することはありませんでした。
 2014年末には、時価評価から入金額を引いた金額が億を超え、配当金収入も税引き後で200万円とそこそこになりました。
 その後自分のポートフォリオの評価額は、売却した途端に課税されてあっという間に減ることに気がつきました。そこで、2015年から毎月一定の割合(25分の1ずつ)で税金を計上し、2017年頭には時価の計算基礎が既に売却時の課税を考慮した数値になりました。そして配当金も質素に生活すれば何とかなるくらいの金額になりました。この時、自分の資産がそれなりの金額になっている事を心の底から実感したのです。

 さて、公表しようか悩みました。ブログをやっているくらいですから、自己顕示欲があることは間違いないのです。しかし、自分の資産額を公開することによって、その後の自分の売買に影響がでるのではないかという危惧もありました。
 結局、ザイオンラインさんの取材を通じ公表することにしました。公表したからと言って、別に自分の投資スタンスを変える必要はなく、間違えたら直しても良いのです。そして、「投資の才能がさほどなくても、配当と言うファクターに注目した投資でそれなりに資産を築くことができる可能性があること」を、自分の成果によってアピールし、誰かの役に立てたらという欲求が勝ちました。

 そして、取材から2ヶ月経って見て……何も変わっていません(笑)。
 良好な市場環境のお陰で当時より多少資産の時価評価は増えましたが、といって爆発的に増えたわけでもなく、相変わらず恥ずかしげもなく優秀な投資家さんが何か良い銘柄を探していないかとブログ巡回しています。実際、主力~準主力の9割以上がパクリです。

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決算と主力銘柄と

 28日に自分の保有銘柄から大量にIRがリリースされ、その中でも主力・準主力を中心に簡単なレビューをしました(もちろん買ったのにもかかわらず業績や株価がイマイチで気まずいものは決算を見ただけです)。
 中には5年・10年と保有している銘柄もあり、その中では業容も大きく変化しているものもあります。例えば4345シーティーエスなどは、2001年度では事務所用の建設現場事務所用ユニットハウスが売上利益ともに一番貢献していたようですが、現在はシステム機器及びアプリケーション等のレンタル・販売が大きな割合を占めています。

ソフトウェア事業608,571千円→システム2,839,875千円
測量機器等販売610,165千円→測量計測2,786,191千円
レンタル事業1,521,017千円→ハウス備品1,118,560千円
工事・安全用品販売694,886千円→その他539,880千円

 この会社の特徴はいくつかあると思うのですが、以前から業績連動の配当を実施し、社員にはストックオプションを発行せずに直接株式を購入させ、株価が下がったら自社株買いと、株主寄りの資本政策を実施してきました。業績も多少ブレがあるものの長期的に業績も配当も右肩上がりとなっています。

 一方、9795ステップや4327日本エス・エイチ・エル、7164全国保証のようにほとんど業容が変わっていない会社もあります。ステップの15年前と昨年の経営方針を見てみると、私のブログのようにコピペした内容にちょっと手を加えただけにしか見えません。

平成14年9月
1.会社の経営の基本方針
 ~(中略)~  これを実現するために、以下の5項目を経営の基本方針としております。
(1)学習塾専業への経営資源の集中投下
(2)地元神奈川県内へのスクールの集中展開
(3)基本となる学習サービス内容の高品質化と競争力強化
(4)県内公立トップ高校への進学実績No.1及び難関国私立高校への合格実績を一層向上させる高校受験STEPの質的向上
(5)地元現役高校生を対象とした大学受験STEPの拡大発展

平成28年9月
(1)会社の経営の基本方針
 ~ (中略)~ これを実現するため、以下の5項目を経営の基本方針としています。
①学習塾専業に徹し、経営資源を専門分野に集中的に投下する。
②スクールは、神奈川県内に集中して展開する。
③学習サービス内容の高品質化を不断に追求する。
④県内公立トップ高校への進学実績No.1を堅持し、さらに難関国私立高校への合格実績を一層向上させる。
⑤公立高校生を中心にした地元現役高校生をサポートする大学受験STEPの発展を推進する。

 もちろん全く変化がないわけでなく、9795ステップは受験制度の変化を徹底的に研究しているでしょうし、4327日本エス・エイチ・エルも試験のWEB化をすすめており、7164全国保証もより使いやすいサービスに商品開発をしています。共通しているのはビジネスがほどほどに好調で、増配傾向にあることです。これらの銘柄を自分が5年後、10年後に持っているかわかりませんが、今後も保有に安心できる銘柄にじっくり投資していこうと思います。

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ブレない投資をめざさない 3

 前々回の記事「ブレない投資を目指さない」はこちらです。
 前回の記事「ブレない投資をめざさない 2」はこちらです

 毎年の配当金の増加を目論む割には株価が気になる今日この頃、パフォーマンス計算をしたところ年初来+2.75%でした。
 一方、4月までの受取配当金は前年同期比+29%となりそうです。昨年・今年は少しばかり入金しましたが、その影響は僅かなので、増加分のほとんどが各企業の増配によるものです。優待もクオカード等の金券を中心に4月までの累計が前年比3割増しで、現金支出が着実に減っているのを実感します。

 投資は考え方一つで幸福にも不幸にもなります。私はもし投資に関わっていなかったとしたらと思うと、現状は非常に幸せだと思いますね。しかし、これを他の優秀な投資家さんの資産額やパフォーマンスと比較した途端に不幸になります。よく私は「自分の能力は……」と申し上げますが、最近はそれ以前に情熱だと感じるようになりました。割安だけでなく、カタリスト等にも注目し、ファンダメンタルをベースに積極的に収益チャンスを狙っていく、より高いパフォーマンスを得ている人に比べると、この情熱が自分には欠けているような気がします。
 幸いにして、そのことを怒られることも人にとやかく言われることもないのが株式投資のいいところです。私は仕事を続けている限り、趣味も楽しみながらほどほどの節約をして入金を続け、毎年の受取配当金が増えるような投資を心掛けます。もちろん入金額が多い方がいいので、仕事もそれなりに真面目にやります。
 投資の一番大変なところは、自分に向いたやり方に巡り合うまでの間だと思います。自分が「これならいける!」と確信に近いものを持てれば、後は時間が味方になるでしょう。その後は、確信していたところに間違いがあったら修正していくのみです。まちがったままブレずに続けたら、お金がなくなるという最大の不幸が訪れてしまいます。

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ダイヤモンドZAI 2017年6月号をご覧になった方へ

 私の投資法がダイヤモンドZAIに紹介されました。
 それを見て興味をお持ちになりこちらのブログを訪問して下さった方もいらっしゃると思いますので、先日ザイ・オンラインに掲載して頂いた時の内容と若干かぶりますが、簡単にご挨拶させていただきたいと思います。

 私は2004年に投資を始め、2005年に楽天ブログ、その後こちらのFC2ブログやツイッターで自分の投資銘柄や成績などを公開しながら投資を続けてきました。紹介いただいたとおり、バリュー投資からスタートし、一応ビジネス分析や成長株投資などに挑戦し、最終的に増配銘柄の長期保有という現在の手法に行きつきました。マイ月末にポートフォリオを公開していますが、増配銘柄のみならず無配の銘柄や直近に上場した銘柄、金券を中心とした優待銘柄などにも投資しております。ここ数年の株高で、受取配当のみならず資産額もそれなりに伸ばすことができました。

 今回の紙面は、同じコーナー「株で儲け続ける『これだけ』必勝法」の中で、私より運用成績にすぐれ資産額も多い方もいらっしゃるにもかかわらず、恥ずかしながら2ページの紙面を割いて取り上げていただきました。ザイオンラインの取材の際にも言われたのですが、億を超える個人投資家はほとんどの人が株に対する造詣が深く、下手をするととてもじゃないけど真似できない知識や技術による手法であることが多いそうです。私のような「増配銘柄の投資」という比較的シンプルな手法を全面的にとりいれてそこそこの資産に到達している人が少なく、ダイヤモンド社さんにはオンライン・紙面の双方で「投資にあまり時間を割くことにできない多くの人に取り入れやすい手法」ということで取材いただきました。
 とはいえ、私はバリュー投資からスタートし、成長株投資も心掛けようとしたけれど、ビジネスモデルの分析は難しく結局わかりやすい増配株投資にたどり着いたというのが正直なところです。個人投資家としての能力や熱意はかなり最低限度で、元金をそこそこ貯めたお陰でまあここまでたどり着いた感じです。
 私自身も勤め人で、普段から趣味も楽しんでいます。常にマーケットの動向を注視したり、一銘柄ずつ入念に分析したりはできません。そこで「増配銘柄はそれなりの優れたビジネスモデルを持っているはず。複数の増配銘柄に分散投資すれば、手間と時間は最小限に毎年増える配当をもらいつつ、マーケットで評価されること(=株価上昇)も狙えるのではないか?」という仮定の下で自分自身の投資を実践しています。仮定と考えているのは、その投資方法が有用である事を言えるのは、20年以上その方法が機能してなければ言えないと思うからです。今の手法に切り替えてから約7年、先はまだまだです。
 資産形成にあたっては個人によって様々な事情があり、株式投資という資産形成方法にたどりついた自分を幸運に考えています。その中でも将来に渡って有用な運用手段になりえる可能性の高い増配銘柄への投資が自分自身、そしてこのブログを見て下さった方の資産形成などに役に立てたらと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

2017年4月 立川 一

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プロフィール

vis2004tachikawa

Author:vis2004tachikawa
個人投資家の立川一(たちかわ はじめ)です。

株式投資を始め、バリュー投資に出会うことができて、本当に運がよかったと思っています。これからも長く地味に投資を続けて行きたいです。

投資スタイルはバリュー投資からスタートし、最近はグロース投資に軸足を置いています。受取配当金の増加を重視し、良いビジネスを持ちキャッシュの創出能力のある銘柄に投資していきたいと考えています。結果として資産も緩やかに増加すると理想的です。

日々の株価に、四半期決算に大いに一喜一憂します。基本的に短視眼的なのです。そんな自分の気持ちに正直に、でも投資はゆるやかに進めて、経済的・精神的に豊かな人生を目指します。

投資をしながら「資金管理も含め自分が継続可能で長い時間軸で考えて勝ち続けることのできる手法を取っているかどうか」を常に確認します。

どうぞよろしくお願いします。

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